学芸員のおススめ!!
【小町】
鎌倉の工芸品といえば「鎌倉彫」って聞いたことがある!どんな工芸品なのかな?
【しらす】
ミュージアムに行ったら、鎌倉彫を展示しているんじゃないかな?行ってみようよ!
鎌倉彫資料館 学芸員 田村 沙理
ようこそ鎌倉へ!
鎌倉彫資料館・学芸員の田村です。
鎌倉彫は、武家文化が誕生した鎌倉で、中国の工芸品に影響をうけ、生まれたと言われます。
それでは、当館が所蔵するなかで最も古い鎌倉彫作品『屈輪文三足卓』をご紹介します。
【小町】
猫足がかわいいですね
これはいつごろの作品なんですか?
鎌倉彫資料館 学芸員 田村 沙理
こちらは室町時代の作品です。猫足がとってもキュートなこの机、実は立派な仏具のひとつなんです。「屈輪文」(ぐりもん)とは、ぐるぐるした渦巻のような文様のことで、中国から伝わった伝統的な文様のひとつです。リズミカルかつ、のびのびと彫られた屈輪文から中国的な雰囲気が感じられませんか?
【しらす】
室町時代!そんな昔に作られたんですね
【小町】
きれいな文様。そういえば昔、小学校の図工の時間に彫刻刀を使ったことがあるけれど、丸く彫るのが一番むずかしかったな。
鎌倉彫資料館 学芸員 田村 沙理
鎌倉彫の曲線を彫るためには、皆さんが小学校のころ使った物と少し違う彫刻刀を使います。予約制で鎌倉彫の体験教室も開いています。今度挑戦してみませんか?
またカフェ「倶利」では、鎌倉彫の器でお食事を堪能できます。見学の後に、その魅力を体験してみてはいかがでしょう?
学芸員のおススめ!!
鎌倉市文化財課 学芸員 浪川 幹夫
【小町】
浪川さんイチ押しの工芸作品はありますか?
鎌倉市文化財課 学芸員 浪川 幹夫
一押しはひな人形のコレクションです。毎年桃の節句にあわせて紹介しています。
【しらす】
おひな様!どのようなおひな様を飾っているんですか?
鎌倉市文化財課 学芸員 浪川 幹夫
江戸時代中ごろに大流行した大型のひな人形である享保びなや、現代のひな人形の原形と言われる立ちびななど、様々な人形を展示しています。さらに御殿飾やひな段飾り、御所人形などの他、蒔絵やガラス、陶器などの精巧なミニチュアの調度品もそろっています。
【小町】
昔からたくさんの飾りで桃の節句をお祝いしたんだね。「享保びな」の切れ長な目と、赤いくちびる。きれい。
学芸員のおススめ!!
【小町】
鎌倉歴史文化交流館では、鎌倉の伝統的な工芸品を見ることができるのですか?
鎌倉歴史文化交流館 副館長 高橋真作
エントランスから廊下にかけては、刀工正宗(まさむね)の伝統を引く刀剣や、畠山重忠(はたけやましげただ)奉納の鎧を模した甲冑、流鏑馬、鎌倉彫など、「現代に受け継がれる中世のワザ」を紹介しています。技術と生業(なりわい)、二つの意味を持つワザを象徴的に展示し、歴史的な展示空間に入る前の導入部として位置付けています。