学芸員のおススめ!!
【小町】
鎌倉には近代絵画を展示する美術館があるんだって
【しらす】
古都鎌倉で近代のアートを堪能するものステキ。
学芸員さんたちにおススメの作品を紹介してもらおうよ!
神奈川県立近代美術館 学芸員 三本松倫代
ようこそ。当館は、1951年に旧鎌倉館が開館して以来、現在の鎌倉別館や葉山館ともに常設展示室をもたず、企画展を中心に活動してきました。展覧会活動を通じて美術家やそのご家族、収集家の方々の信頼を得て、コレクション(現在約14,000点)を形成してきました。
神奈川県立近代美術館 学芸員 三本松倫代
今回は、幕末から昭和にかけての日本近代美術と現代美術を中心とするコレクションの中から、松本竣介の《立てる像》をご紹介します。
神奈川県立近代美術館 学芸員 三本松倫代
この絵が描かれたのは、第二次世界大戦のさなかです。画家も戦争に協力すべしとの意見に反論し、この絵の前年に「生きてゐる画家」を『みづゑ』に投稿した竣介の、時代に抗いながら画家としての自己を見つめた自画像といえる代表作です。
背景は高田馬場の清掃事務所と目白変電所と言われていて、13歳で病のため聴覚を失った画家が、静寂のなかで捉えただろう都会風景。小さく描きこまれた二匹の犬もひっそりと魅力を放っています。
【小町】
お話を聞いて絵の印象がガラッと変わりました。画面の中に見どころがたくさんありますね。
学芸員のおススめ!!
鎌倉市鏑木清方記念美術館 学芸員 今西彩子
こんにちは。
鎌倉市鏑木清方記念美術館の学芸員・今西です。
近代日本画の巨匠・鏑木清方(かぶらききよかた)の旧居跡に建つ当館では、清方の作品を中心に紹介しています。
【しらす】
鏑木清方さんはどんな絵を描いたんですか?
鎌倉市鏑木清方記念美術館 学芸員 今西彩子
では、清方の代表的な美人画《朝涼》(あさすず)をご紹介します。
夏の早朝、朝露の光る蓮や、稲田の続く自然豊かな横浜・金沢の風景と共に清方の長女の姿が描かれています。
【小町】
きれいな横顔と、幻想的な雰囲気にうっとりしちゃう
鎌倉市鏑木清方記念美術館 学芸員 今西彩子
少女のあどけない仕草に清方の父としての心がみえるようですね。
当館では作品の保護のため、1年に一度だけ、約一か月間展示します。