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鎌倉アート&カルチャーMAP

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文化財巡り
絵や工芸を鑑賞しよう (北鎌倉駅周辺)

  • 北鎌倉駅
    • 4分
  • 東慶寺① 初音蒔絵火取母
  • 東慶寺② 葡萄蒔絵螺鈿聖餅箱
  • 東慶寺③ 波に亀甲散蒔絵硯箱
  • 東慶寺④ 牡丹唐草蒔絵払子
  • 東慶寺⑤ 松岡日記
    • 3分
  • 円覚寺
    • 10分
  • 建長寺
    • 16分
  • 北鎌倉駅 (またはバスで鎌倉駅)

北鎌倉駅出発

北鎌倉のお寺には、貴重な文化財が伝えられています。 当時の暮らしを想像しながら巡ってみてはいかがでしょう

Spot.01

東慶寺① 初音蒔絵火取母

(はつねまきえひとりも)
(重要文化財)
室町時代
胴径14.6cm×高さ9.2cm

北鎌倉駅周辺

「源氏物語」の和歌をデザイン
火取(ひとり)とは、衣などに香をたきしめる香炉(こうろ)のこと。胴部に全面に梨地(蒔絵の一種。梨の肌に似る)が施され、松・竹・梅と、鶯の図柄があります。鶯と梅の間に「はつね」、ほかに「幾何(きか)」「せよ」の文字があり、これは「源氏物語」「初音」の巻の和歌「年月の松に曵かれてふる人に今日鴬の初音聞かせよ」を表わした歌絵です。 (※宝蔵での展覧会で公開されます。詳しくは東慶寺ホームページでご確認ください。)

Spot.02

東慶寺② 葡萄蒔絵螺鈿聖餅箱

(ぶどうまきえらでんせいへいばこ)
(重要文化財)
桃山時代
胴径11.3cm×高さ9.3cm

北鎌倉駅周辺

螺鈿細工が美しいキリスト教ゆかりの品
聖餅箱とは、キリスト教の聖餐式で用いる器で、司祭だけが持つことのできる大切なものです。蓋表の紋章は16世紀に創設されたイエズス会の紋章、中央の「IHS」は、ラテン語のイエス=キリスト(Ihsouz Xristoz)の頭の三文字。側面には、南蛮風の装飾として葡萄文様が施されています。江戸時代、禁じられていたキリスト教ゆかりの品が、なぜ徳川家ともゆかりある東慶寺に伝わっていたのかは不明だそうです。 (※宝蔵での展覧会で公開されます。詳しくは東慶寺ホームページでご確認ください。)

Spot.03

東慶寺③ 波に亀甲散蒔絵硯箱

(なみにきっこうちらしまきえすずりばこ)
江戸時代
25.1×23.0cm 高さ6.0cm

北鎌倉駅周辺

“静”と“動”のハーモニー
吉祥模様の亀甲文と、躍動感ある波紋様が見事に調和したデザインが特徴の硯箱。亀甲の中には「丸の内に三つ引」紋様があしらわれています。亀甲と、硯箱の内側には、漆で肉を盛り上げたところに蒔絵を施す高蒔絵の技法が用いられています。 (※宝蔵での展覧会で公開されます。詳しくは東慶寺ホームページでご確認ください。)

Spot.04

東慶寺④ 牡丹唐草蒔絵払子

(ぼたかんからくさまきえほっす)
室町時代 南北朝時代
総長42.2 軸長20.2cm

北鎌倉駅周辺

優美な尼僧の持ちもの
払子は、禅宗の僧が持つ特別な道具で、インドでは虫や塵を払うための道具でしたが、日本では禅宗の僧が煩悩を払うため用いました。この払子は、はぐま(ヤクの尾)の毛を束ね、柄は黒漆に金蒔絵で日本の唐草が描かれており、柄尻には花形の象牙がはめられています。細身で落ち着いた装飾から、尼僧の持ち物らしさが感じられます。

Spot.05

東慶寺⑤ 松岡日記

(まつがおかにっき)
(重要文化財)
1866年

北鎌倉駅周辺

現在に伝わる駆け入りの歴史
かつて離縁を求める女性の駆け込み寺であった東慶寺は、駆け入りに関する多くの書物が伝えられています。中でもこの日記は、駆け入りの月日、親元や夫、役所での取り調べ内容など、駆け入りから下山までの経緯が詳細に記された貴重な資料です。 この資料は「東慶寺文書」として平成13年に重要文化財に指定され、現在は修復中です。

3分

Spot.06

円覚寺

白龍図
1963年
監修・前田青邨
作・守屋多々志

北鎌倉駅周辺

作者の守屋(もりや)多々(ただ)志(し)は1912年に岐阜県大垣市で生まれ、18歳で上京したのち、日本画家の前田青邨(まえだせいそん)に弟子入りしました。1939年に青邨が北鎌倉へ転居すると、追うように翌年多々志もこの地に移りました。 白龍図は、北鎌倉に住む二人が依頼を受け、青邨が監修し1962年に制作を始め、翌年2月に完成しました。

10分

Spot.07

建長寺

雲龍図
2000年
作・小泉淳作

北鎌倉駅周辺

龍は古くから、雲を呼び、雨をもたらす恵みの神として信仰されてきました。法堂は仏法を説く場であることから、法の雨を降らす意味で天井に雲龍図が描かれています。
この天井画は建長寺創建750年を記念し、鎌倉生まれの日本画家・小泉淳作により描かれました。淳作は建長寺の大広間を借りてアトリエにし、構想から完成まで約3年かけて制作しました。円で龍が囲われているのは、龍が暴れ出さないようにという淳作の意図です。

16分