高浜虚子の俳句や与謝野晶子の短歌。
作家の作品と一緒に由比ガ浜や長谷を巡って見ませんか?
江ノ電の由比ヶ浜駅から鎌倉へ向かってすぐの線路わきに高浜虚子が住みました。現在、旧居跡に小さな句碑があります。
甘縄神明社
【鎌倉のいはゆる谷の奥で、浪が聞える夜もあるから、信吾は海の音かと疑つたが、やはり山の音だつた】
和銅3年(710)建立と伝えられ、鎌倉でいちばん古い神社といわれています。鎌倉幕府の記録文書「吾妻鏡」に、源頼朝、妻 政子が参拝ことが書かれています。川端康成は甘縄神明社の近くに住み、この辺りを小説「山の音」の舞台にしました。
鎌倉時代の紀行文「東関紀行」に造立の様子が書かれています。また境内に与謝野晶子の、この歌の碑や俳人の星野立子の句碑「大佛の冬日は山に移りけり」などがあります。
大仏様の胎内拝観(拝観料20円)。夏目漱石の娘たちは鎌倉に滞在中に、胎内拝観をしたと報告し、漱石は「御父さまもまだはいつた事がない、御前方はいい事をした」(大正10年(1912)8月10日)と返事を書きました。
長谷観音の名で知られるこの寺には高浜虚子の句碑をはじめ、作家の久米正雄の胸像、評論家の高山樗牛の記念碑などがあります。境内には四季折々の花が咲き、特に初夏の紫陽花と秋の紅葉がきれいです。また見晴台からは由比ガ浜が一望できます。
小泉八雲の随筆「日本瞥見記」に明治時代の長谷寺の様子が詳しく書かれています。まだ電灯のない堂内で、提灯の灯りで徐々にその姿を現す観音様に感激し「永遠の若さと無量のやさしさ」をたたえていると書きました。